台風19号で体験した事

多くの地域が台風19号の被害を受けました。


私の住んでいる地域もその一つです。

近くに涸沼川が流れており、石川川が家々のすぐ裏を流れ涸沼川と合流しています。それに周囲には田んぼもあるので用水路がぐるりと部落を囲っています。


台風の去った翌朝6時に部落の人達が集まり、すぐに土嚢の準備をしました。何台もの軽トラックに土嚢を詰め込み、土地が低く川の水が溢れ出そうな川べりにどんどん積んでいきました。


土嚢を次ぎから次へと積んでも足りないくらい川の水かさがみるみる増え、あちこちの家の庭先に水がチョロチョロと流れ出してきました。そのチョロチョロが間もなく、ジャージャーとなっていったのです。


部落の前を通る県道にも、川の水が溢れ通行止めになりました。


まだまだ土嚢が足りない。知り合いの建設業の方が、土嚢袋と土を運んできてくれました。ありがたい。消防団の方々も駆け付けてくれて一緒に土嚢を作り、また川べりに2段3段と土嚢を積み上げていきました。この作業が延々続きました。家や道路より川の高さの方が高いなんて、見ていて本当に恐ろしい光景でした。


午後になっても水かさは増える一方。

加えてその日は大潮の日で海から水が押し寄せられ、行き場のなくなった川の水が逆流もしていたのです。


みんな不安な気持ちでいっぱいでした。

もしかしたら、その場を離れ避難しなくてはいけないのか?


まだ土嚢が足りない。。


市議会議員の方が作業服で様子を見に来てくれました。土嚢が足りない事を訴えると、すぐさま手配して自ら取りに走ってくれました。またまた本当にありがたい。


川の様子を見ながら、この繰り返しの土嚢作業を続けること約8時間。夕方近くには、ようやく水が引いて行くのが目で見てわかるようになり、やっとのこと安堵しました。


『自助・共助・公助』という言葉を最近よく耳にします。

「自助」とは自分で自分を守る事。「共助」とは要援護者の避難に協力したり、地域の方々と消火活動を行うなど、周りの人達と助け合う事。「公助」は市役所や消防・警察による救助活動や支援物資の提供など、公的支援の事を言います

そして自助・共助・公助が連携し一体となる事で、被害を最小限に食い止め早期の復旧・復興に繋がると言う事です。


この台風19号では、まさに自助・共助・公助の連携で被害を最小限に食い止め、皆で部落を守りぬいた貴重な体験となりました。

溢れだした石川川
溢れだした石川川
水かさが増え家や道路より川の方が高くなっている
水かさが増え家や道路より川の方が高くなっている
上記の写真と同じ場所で水が引い状態
上記の写真と同じ場所で水が引い状態
物置小屋に川の水が溢れだしている
物置小屋に川の水が溢れだしている