盲学校の学習発表会に参加して

音訳友の会のメンバーで盲学校小学部の学習発表会に参加してきました。

小学部の子供達は1年生から6年生まで合わて12、3人くらいですが、みんな元気な子ども達ばかりでした。


はじめの会で歌を全員で歌ってくれました。姿勢よく正面をまっすぐに見て口を大きく開け堂々と歌う姿に、私はしょっぱなから感激して目頭が熱くなりました。障害など微塵も感じさせない明るい歌声でした。


それぞれ学年別の発表も思考を凝らしたものでした。

1、2年生は給食室や県立図書館を見学してきた事をスクリーンの写真と文章でまとめた発表や大きなかぶの劇。3、4年生は詩に曲を付けてイメージした音を色々なモノを使って表現したり、ニュース形式で作文を読んだり、また縄跳びをしたり。5、6年生は着物を着てお琴でさくらさくらを演奏したり、書いた習字の言葉について詳しく説明をしたりと、どれも素晴らしい発表ばかりでした。


低学年の子でもすでに点字を覚えていて、点字で書いてある紙を指でなぞりながら大きな声で発表する姿もまた感心しました。


また、展示物もありました。縄跳びをしている元気な写真や、粘土や焼き物で作った器は、細かく飾りがついていて繊細で素敵なものばかりでした。


私達音訳友の会のメンバーで詩を3つ読みました。早口で言ったりゆっくり読んだり、全員で読んだり一人づつ読んだり、足踏みで音を出したりと。また子ども達にも参加してもらいました。みんな素直にどんどん声 をだして、大喜びで楽しんでくれました。


子ども達は、全盲の子や弱視の子など状態はさまざまです。弱視の子は全盲の子といつも手を繋いで誘導してあげたり、全盲の子は弱視の子の肩に手をかけたりと、場面場面で何気なくお互いを気遣う姿に心を打たれます。みんな優しい子ばかりです。障害は優しい心が自然と育まれていくんですね。


県立盲学校は県内には1つだけで、自宅が遠い子は宿舎に寝泊まりして生活訓練や勉強をしているそうです。そして週末だけ家に帰る子もいるそうです。まだまだお母さんのそばで甘えていたい年頃なのに、親元を離れて生活しているのかと思うとなんともけなげで、頑張っている姿に目が潤んできます。

目が見えないというハンデがある分、健常者が当たり前にできる事を訓練したり、覚えなければいけないこともたくさんあるようです。


子ども達は声を出して相手に伝えるという事が、小さい時から身に付いている事をこの学習発表会を通じて感じました。健常者は目を見て話すし、目がものを言うなどといい目の力は大きいです。しかし盲学校の子供たちは声をだし、思いを伝え、そして自分の存在を伝えています。盲学校の子ども達一人一人は個性豊かでキラキラと輝き大きくたくましく見えました。


先生方の親身な指導にも頭が下がります。愛情を持って一人一人と向き合って指導しているのがよく分かります。それは子供たちの表情から見てとれます。全員が明るく元気でいつも笑顔でいるからです。


生徒さんの御父兄は写真やビデオ撮影をして、我が子の成長の姿に感無量なご様子でした。みんなの前に出て発表しても、ものおじせずに堂々と発表している姿を見れば、そのたくましい姿に、今日初めて会う私でさえ涙がでました。

健常者の私達よりもずっとずっと、力強い生命力を感じました。盲学校小学部の皆さんありがとうございました。

音訳友の会で発表した詩
音訳友の会で発表した詩