心に沁みるメモ張

身体が不自由で、やっとの思いで歩行器を使いながらゆっくりと歩いてくるKさん。


カラオケが大好きで、お子さんが6人もいてまさに「肝っ玉母さん」とはKさんそのものだと思うほど、明るくユーモラスな方です。


先日、施設にてカットの時の事。

これあげるから使ってね、私か作ったんだよ、とKさん。

それはカラオケの歌詞が書いてある使い古した紙を小さく切って、数枚をホッチキスで留めたメモ帳、数冊でした。


これね、みんなに頭下げていらない紙をもらってね、ハサミで切って何枚か揃えてホッチキスで留めるんだよ。手がなかなかきかないから結構大変なんだよ、でもリハビリだと思ってやってるんだよ、といいました。


私は、嬉しい!すごく嬉しいです。もったいなくてメモなんてできないです!

というとKさんは、そうやってみんなが喜んででくれるのが私は嬉しいんだよ、といいました。私はジーンとして涙がでました。


不自由な身体で一生懸命作ってくれたメモ張。真っ直ぐに紙を揃えたり、ハサミで切ったり、ホッチキスで留めるという簡単な作業が、Kさんにとってどれほど大変な作業なのか想像すると胸が熱くなりました。本当にもったいなくて使えないという思いでいっぱいでした。

Kさん、ありがとうございました。大切に使いますね。