80代の女性で認知症のkさん。
いつもニコニコとして、昔の自分の事を毎回話してくれます。
父親が東京の大学に入れてくれたこと。
東京の叔母叔父のところへ下宿して、二人にとても大切にしていただいた事。男性の学生さんにモテた事、などなど。
その後大学を卒業してから、化粧品店に数年勤めた後東京に店をだし、多い時には従業員が10人もいたとの事。
その時代に女性が東京の大学を卒業して、やがて10人もの従業員を雇うほどの店を持つなんて、本当に素晴らしい事だと思いました。そしてお父様の理解力と先見の明。女性が社会進出をする時代になるという事の。
それに店の経営の大変さに加え、人を雇うという事の難しさ。その苦労は例えようもない事だと思いました。
私はおそれ多くも、経営で大切な事はなんですか?と聞いてみました。すると女性は、やっぱり人ですね。よく話ました。店が終わった後に1人ずつ。何でもよく話ました。といったのです。
私はなるほどと思いました。どんな仕事でもそうですが、職場の雰囲気が良ければ嫌な仕事も続けていけるものだと思います。人の入れ替わりの多い職場はやはり話し合いやミーティングが少なく、結局仕事の生産性が上がらないものだと思います。
kさんは今でこそ認知症で施設にいらっしゃいますが、昔の功績は決して忘れる事なくしっかり覚えていらっしゃいます。話をしているkさんに認知症のカケラも感じませんでした。そしてとても素晴らしいお話を頂いて大変勉強になりました。尊敬します。kさんありがとうございました。