卒業式 節目
高校の卒業式なんてものは、自分の時もそうでしたがわりとさっぱりしているもので、涙ぐむなんて事はこれまであまりなかったと思います。男子だけのクラスでしかも男性の担任の先生ならなおさら。
教室で卒業証書をそれぞれに渡し終えて、先生のお話がありました。あら、先生はすでに涙ぐんでいる(？)お父さんお母さんは君たちをここまでに育ててくれるのにどれほど苦労してきたか、頑張って働いてくださったか先生も本当によくわかります。君たちを学校に行かせるために一年間に100万円という税金を納めているんです。そして18年という歳月を経て高校卒業を迎え、お父さんお母さんもその節目となります。感謝の気持ちを込めてその花を、今渡して下さい。子供達は花束を手に椅子から立ち上がると、それぞれの親のところに向かい、ありがとうございました、という言葉とともに恥ずかしそうにその花束を渡しました。突然のサプライズに父兄の目に涙がこぼれました。男の子なんて普段はぶっきらぼうでなかなか親にありがとう、なんて気恥ずかしい言葉を面と向かって言えるもんじゃありません、ましてや花束を渡しながらなんて。とても粋な計らいをしてくださる先生でした。言われるがままに花束を渡した子供達は、まだ親と同じ様に感慨深く感じることは出来なかったと思います。大人になって子供を持って親になった時にはじめて、この時の親の涙の意味を理解し感じる事ができるのでしょう。みんな卒業おめでとう。それからお父さんお母さんも卒業おめでとう。
